義理の娘に6年間にわたって性的虐待を繰り返したとして、強姦と児童福祉法違反の罪に問われた峡中地域の会社員の男(45)の判決公判が6日、甲府地裁で開かれ、男に対して懲役9年の実刑判決が言い渡された。
判決で、渡辺康裁判長は「被害者が被害を申告できなかったことをいいことに、欲望の赴くままに犯行に及んだもので、犯行にいたる経緯に酌量の余地はない」と指摘した上で、「極めて悪質な犯行で常習性も顕著な上、人格・心情を無視する態度も甚だしい。被害者が受けた精神的、肉体的苦痛は甚大で、被害者の健全な育成に重大な悪影響を与えた」とした。
これまでの裁判記録や判決によると、男は義理の娘の女児が12歳から15歳まで、13回の性的暴行に及んだとして起訴された。検察側によると、家族が寝静まったころを見計らい、女児が9歳のころからわいせつ行為に及んだ。
男は多い時で2日に1回乱暴し、裸体を撮影するなどの行為にも及んでいた。発覚による家庭の崩壊を恐れた女児は「私が我慢すればいいんだ」とひたすら耐え続けたという。
男は以前、女児の姉にも性的虐待を加えていて、姉が被害を訴えたために夫婦は離婚。しかし、男はその後も元妻宅に出入りし、被害女児への行為に及んだ。
生活保護を受けていた母親にとって、男の経済的援助はかけがえのないものだった。男との間に子どももでき、完全に関係を断ち切ることはできなかった。女児が今年6月、教師に被害を打ち明け、男が警察に逮捕されるまで虐待は続いた。
義父への思いを「死んでほしい」と捜査官に吐露した女児。「でも、そんなことができないことは私にも分かっている。死なないのならば、私にとっては同じこと。できるだけ閉じ込めてほしいとか、私が苦しんだよりも長く苦しめたいとは思わない。ただ、2度と顔を見たくない」と話したという。
「家族としての結び付きを確かめたかった」と性的虐待の動機について理由にならない供述をした男。男は法廷で罪を認め、「何ということをしたのかと反省している。ただただ、申し訳ない」と涙声で話した。検察側は男の行為を「精神的殺人に等しい」とし、懲役15年を求刑していた。
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